結婚して20年近くも経つと、結婚当初とは色々なことが変わってくる。まず夫に対する期待値が下がってくる。夫に対して色々なことを諦めることができる。そうなると喧嘩の数もボリュームも圧倒的に減ってくる。これはお互いに体力がなくなってくるからという理由もあるけれど。結婚した当初は喧嘩が激しかったけれど、今はお互いちょっと口数が減るくらいになった。きっとお互いが学んだからだろう。でも喧嘩の数と比例するように、夫婦の温度も冷めていくものだ。昔はあんなにラブラブだったのになー、と思うことも少なくない。でもそれが歳を取っていくということなんだろう。

なんて思っていたので、最近我が家の近くに引っ越してきた夫婦にはカルチャーショックのようなものを受けた。その夫婦の年齢は私たちと同じくらいで、長男の年齢も同じくらいなので結婚年数もうちとそれほど変わらないはずなのに、その家から聞こえてくる喧嘩のボリュームと言ったら、それこそご近所中に響き渡るくらいだ。時にはガシャーンと物が壊れるような音もする。先日も夜中に近所で窓ガラスが割られたような音がしたので、夫と何事かと外に出てみると、やはりその夫婦が派手に喧嘩しているようだった。子供たちは怖がっていないだろうかと心配になるくらいだった。この夫婦、離婚してしまうんじゃないか…と思えるくらい激しい罵り合いがしばらく続いていたのだった。

だけどそんな心配をよそに、先日そこの奥さんを見かけたら、お腹が大きくなっていたので驚いた。すでに子供が5人いるというのに…。喧嘩も激しい分、きっと夫婦仲もいいんだろう。夫婦のことは、その夫婦にしかわからないというけれど、よくも悪くもパワフルに違いない。

それからも時々激しい夫婦喧嘩が聞こえてくるけれど、犬も食わない夫婦喧嘩と、私達も見て見ぬフリをすることに決めたところだ。